世の中というのは分からない。「覚せい剤」で人生を棒に振ったかに見えた沢尻エリカ氏だが、蘇ったかのように“人気女優役”でちゃんとドラマに出ていた。しかも、そのドラマは世界190か国以上に配信され、1億3000万人以上の視聴者数を誇るNetflixのドラマ部門でトップ独走中というから驚く。撮影は昨年の3月~7月で、覚せい剤事件よりはるかに前だが、Netflix側からは「彼女の出演シーンをカットしてほしい」という要求は一切出なかったという。堂々と190か国に“人気女優・沢尻エリカ役”として出てくるのだ。監督は蜷川実花氏で、確かに彼女の“お気に入り女優”ではある。もっとも、主役は“女優の卵”である池田エライザ氏と、その素質を見出す“人気写真家”役の中谷美紀氏のダブル主演だ。インスタにアップされた1枚の写真がきっかけで成功女優が誕生していく過程を描く「Followers」というこのドラマには、他にも中島美嘉氏がシンガーとして登場し、夏木マリ氏なども登場する。グッチやケンゾーの店内撮影も初めて可能とし、全スタッフの7割が女性で占められるという異色の作品だ。題材はいかにも“アメリカ人好み”の内容を意識しているようにも感じるが、ハリウッド映画のような華やかさを演出できるのは蜷川実花氏ならではの感がある。今年は、いろいろな意味で、芸術や芸能というものの“本質”が問い直される一年になるかもしれない。いや、芸術や芸能だけではない。個々の「国家」と「世界」との問題。「法律」と「社会」との問題。これらも、これまでの“常道”が通用しなくなりつつある。何が「正義」かさえも、問い直さなければならない時代が来ている。多くの人は知らないが、実は数日前、ロシアのプーチン大統領が「憲法改正案」を提出し、承認された。この“改正案”には、驚くべき内容が含まれている。神への信仰を法制化すべきこと、結婚は男女間でのみ認められると規定すべきこと、北方領土はロシアの領土であり、自分が大統領退任後も永遠に譲るべきものではないことなどが明記されているのだ。私は2019年2月号の『クオリティ』という雑誌の中で北方領土返還に関して「本当はここまでは言いたくないが、この交渉が上手く行かなければ、もう二島はおろか、永久に北方領土は返ってきません」とインタビュー記事で断言していた。こういう予言は当たってほしくない。いつも、そう思うのだが「悪い予言」ほど的中してしまう。もう少し、楽しいことを予言したいのに…。
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