近年、一方通行的な「価値観」の押し付けが横行している。つまり、これこれに対しては「これが正しい」それ以外は認められない、という感じの“価値観の押し付け”である。その代表的なものの一つに既婚者の“不倫”がある。有名人の“不倫発覚”に対しては、本来なら直接的には何の関係もない第三者までが、不倫した人物を糾弾しようとする。「既婚者なのに不倫するなど許されることではない」という“価値観の押し付け”である。別に日本国憲法で、そういう風に定まっているわけではない。あくまでも個々の“倫理観”の問題に過ぎない。ところが近年は多くの場合、それが大々的に報道されると、人気だけでなく、仕事までも失う。それが当然でもあるかのような風潮が見られる。或る女性雑誌にアパレルブランドを展開する実業家の川崎希氏が第2子を出産後のインタビューに答えている。その中で彼女は、夫でモデルのアレクサンダーの浮気に関して、自分の知っているだけでも30回以上はあり、入籍翌日から発覚していたことなどを語った。けれども「もう慣れちゃった」とも言って、大らかに許しているスタンスを告げている。浮気されるのは嫌だが、それ以外の点は夫として満点だというのだ。つまり、彼女の場合、世間的な“価値観”で自分は判断しないことを明確にしている。そういう自分なりの「価値観」があれば、不倫を何度されようが“夫婦間”に亀裂は入らない。多分、彼女は、昨今の“浮気を許さない風潮”をやんわり批判したかったのかもしれない。同じような立場の人物として、元政治家でタレントの金子恵美氏が居る。彼女の場合も、出産直後に“夫の不倫報道”が出て、世間から「離婚すべき」と騒ぎ立てられたが、本人にその気はまったく無いようだった。それによって、彼女は一部の“夫が浮気経験”を持つ妻たちから熱狂的な支持を得た。今年になって再度、夫の“不倫報道”が出たが、自分の“監督不行き届き”だったとして、夫と共に謝罪した。スタンスとしては“似ている”のだが、微妙に違う。川崎希氏の方は、夫に対しての愛情が“浮気”を包み込んでいるように見えるし、金子氏の方は、夫の“不倫病”を発覚させてしまった“妻としての落ち度”として捉えている節が見られる。観方によっては「時代劇の妻」型が金子氏であり、「欧米のセレブ妻」型が川崎氏かもしれない。
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